Project/Area Number |
08J11478
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Virology
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East (2010) National Institute of Infectious Diseases (2008-2009) |
Principal Investigator |
中原 知美 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | パピローマウイルス / ウイルスゲノム複製 / ATM / 潜伏感染 / 子宮頸がん / HPV / ゲノム複製 / Cdt1 / Geminin / MCM / DNA損傷修復系 |
Research Abstract |
高リスク群ヒトハピローマウイルス(human papillomavirus : HPV)は、子宮頸癌の原因ウイルスである。HPV生活環は、感染標的である表皮細胞の分化と密接に連動している。未分化な表皮細胞に侵入したHPVは、その環状2本鎖DNAゲノムを、感染細胞の核内で低コピー数のエピゾームとして維持する潜伏持続感染状態となる(潜伏期)。感染宿主細胞が分化すると、表皮形成の終盤でウイルスゲノムの大規模複製、次いでキャプシドタンパク質を発現し、子孫ウイルス粒子を産生する(増殖期)。 本研究は、HPVゲノム複製の分子機構の解明を目的とし、DNA損傷修復系との相互作用に着目した。まずは、潜伏期のウイルスゲノム複製について調べた。結果、ウシパピローマウイルスを潜伏感染する細胞では、DNA損傷応答系因子のATMが活性化し、その活性化はウイルスゲノムの複製をある程度抑制していることが分かった。一方で、HPV16を潜伏感染している患者由来の細胞では、ATMは活性化しておらず、HPV16潜伏感染時におけるHPVゲノム複製には、宿主の染色体複製因子が関与する可能性が示唆された。以上をふまえ、3年目の本年度は、増殖期のHPVゲノム複製について検討した。HPV16潜伏感染細胞に、HPVゲノム複製因子であるE1およびE2を外来性プロモーターより発現誘導すると、ウイルスゲノムの大規模複製を誘導できた。同時にATMが活性化し、アポトーシスによる細胞死が誘導されることを見つけた。ATMは、E1を介したウイルスゲノムの複製を検知して活性化し、感染細胞の排除やウイルスゲノム複製を抑制することにより、宿主の感染防御において重要な役割を果たすことが示唆された。
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