Project/Area Number |
08J55191
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 孝太郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 結晶構造 / 粉末X線回折 / 有機結晶 / 結晶転移 / 医薬品 |
Research Abstract |
結晶転移や結晶内での分子反応といった動的な結晶挙動を理解する上で、結晶構造は必要不可欠な情報である。しかし、動的な挙動に際して、単結晶状態が保てないものも多く、そのような場合には、近年発展した粉末X線結晶解析の手法が非常に有効である。本年度は、これまでの研究では明らかにできなかった有機物結晶の転移現象(医薬品原薬の脱水・水和転移現象解明や溶媒蒸気に誘発される転移現象)に注目し、粉末X線結晶構造解析からそれぞれの転移現象における動的分子挙動を明らかにすることに成功した。特に医薬品原薬の脱水・水和転移は、広く使われている医薬品リシノプリルやアクリノールについて、その転移の様子を具体的な水和分子の挙動として明らかにすることができた。リシノプリルでは、二水和物結晶に含まれている二種類の結晶水が段階的に抜けていく様子を観察することに成功し、さらにその段階的な脱水が水素結合環境の違いから生じていることを具体的な水素結合のエネルギーから解明した。さらに結晶構造から水和の過程も予測し、そのモデルが妥当であることを種々の分析法から明らかにし、脱水と異なり水和は一段階で進行する単純な逆過程ではないことを見出した。アクリノールについては、一水和物が脱水し、さらに多形転移を起こす様子を観察し、そのメカニズムを分子レベルで解明した。これらの結果は、産業界でも注目されている医薬品の転移現象を系統的に理解するうえで欠かせない結果である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)