転写因子Bach1とp53ネットワークを介した細胞老化制御の解明
Project/Area Number |
08J56051
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
太田 一成 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | Bach1 / p53 / 細胞老化 / Rb / Perp / p21 / Pail / Noxa / Pai1 |
Research Abstract |
細胞老化はがん抑制因子p53により誘導されるが、細胞老化を引き起こすp53標的遺伝子(群)は不明である。これら細胞老化実行遺伝子群の発現はBach1によって抑制されることから、p53とBach1の下流遺伝子群の共集合を同定し、そのノックダウンを行い、細胞老化がキャンセルされることを指標に細胞老化実行遺伝子群を同定する、という研究コンセプトで研究に取り組んだ。Bach1の下流に位置する遺伝子群に注目する点で独創性が高い研究と言える。 これまで細胞老化への関与が示唆されていたp21とPailに加え、Perp、Noxaというアポトーシスを誘導する遺伝子が共同して細胞老化の誘導と維持に関与することを示した。野生型に比してBach1欠損細胞では早期にpRbが脱リン酸化されることを見いだし、さらにRb経路とのクロストークが必要であることを示した。4つの遺伝子に加えてpRbを同時にノックダウンすることで強い再増殖が認められ、その中でpRbとp21が重要であることを示した。このことから、細胞老化の誘導および維持には、p53の下流でp21がRb経路とクロストークすることが必要と考えられた。細胞老化に伴いIL-6などのサイトカイン発現が誘導されるが、p21-pRbはIL-6制御には関与しないことも示し、これら因子以外のp53下流遺伝子がサイトカイン分泌に関与することが示唆された。 以上の結果より複数のp53標的遺伝子が細胞老化の誘導および維持に関与し、Rb経路の活性化やサイトカイン遺伝子発現を制御していることを明らかにした。得られた知見は今後、分子機構の解明、がん治療の応用につながると期待している。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)