火星大気飛行中の極限流れにおける翼の空力特性の実験的解明
Project/Area Number |
08J56081
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fluid engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安養寺 正之 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 火星探査 / 火星飛行機 / 火星大気風洞 / 低レイノルズ数 / 超音速エジェクター / 感圧塗料 / 剥離泡 / 高亜音速 / エジェクター / プラズマ・アクチュエーター / 境界層の発達 / 気流検定 |
Research Abstract |
本年度はこれまで改修を行ってきた「火星大気風洞」と呼ばれる低密度風洞を用いて,翼面上の圧力分布を光学的に計測する「感圧塗料技術」を適用した翼型試験を行い,低レイノルズ数において粘性と圧縮性の効果を分離した空力計測に世界で初めて成功した.さらに火星の大気主成分である炭酸ガスによる風洞試験も行うことで,低レイノルズ数領域で粘性と圧縮性効果に対して比熱比の違いが空力特性に与える影響を評価した.その結果,レイノルズ数やマッハ数の変化により,翼上面で生成される「剥離泡」の長さや位置,さらには剥離せん断層の再付着状態が変化することなど流れ場の詳細を明らかにした.また剥離泡が生成されることで非線形的に揚力が増加するなど,流れ場の変化と揚抗特性の関連性を明らかにした.ガス主が違っても低迎角では揚抗特性はほとんど変化しない,失速後の高迎角では炭酸ガスの方が失速特性は悪化するという違いを示した. また今後より広範囲の飛行条件での翼特性の評価や,火星実環境である低温環境下で試験を行うためには,風洞の駆動系である超音速エジェクターの性能評価手法の確立とそれを用いた設計の最適化が要求される.本年度はまず一次元解析から導出した超音速エジェクターの駆動性能評価パラメータの有効性を実証した.従来の評価パラメータでは,設計値固有の性能しか示せず,ノズル形状や作動条件に依存するものであり,望みの性能を示す設計の最適化が困難であった.これに対し,本研究で提案した評価パラメータではノズルやダクトなどの形状や,ガス種や供給ガス圧力などの作動条件を変化させても圧力比に代表される駆動性能に対して相関が取れることを明らかにした.さらにこの評価パラメータを用いることで,低温環境化で懸念される炭酸ガスの固化を防ぎつつ,目的とする性能を維持する形状と作動条件など,今後の最適化設計に向けた指針が得られた.
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)