Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
本研究課題では,「プローブ型ナノツールを用いた局所環境制御技術による単一細胞解析システム」の構築を目的としている.今年度は,先ず,これまでに構築したナノ・マイクロデュアルピペット局所環境制御システムを用いて,ある化学物質を含む溶液と含まない溶液の同時噴出による局所化学物質濃度の定常状態の制御を行った.更に,本手法をNa^+駆動型べん毛モータの回転制御に応用し,Na^+を含む溶液と含まない溶液を同時に噴出しながら独立に噴出速度を制御することで,べん毛モータの回転の定常状態を,回転トルクにして10^2[pN・nm]オーダで精密に制御可能であることを示した. これにより,ナノ・マイクロデュアルピペット局所環境制御システムは,単一細胞解析のみならず,電気化学・化学的な反応により駆動する生物分子モータの駆動力制御に有用なツールであることを実証した.また,近年マイクロ構造体の駆動力として用いられ始めているこれら生物分子モータに対して,駆動力自体を制御するという,より高度な制御を実現する可能性を示した意味も大きい. そこで,将来的にはドラッグデリバリーシステムなどの革新的な技術の開発が期待される,細菌駆動マイクロロボットに着目して更に研究を進め,マイクロ・ナノピペットを用いた局所環境制御技術によるバクテリア駆動マイクロ構造体の運動制御手法と,付着数・位置などを制御して細菌駆動マイクロ構造体を作製することでより精密な運動制御を行うために,光ピンセットを用いた細菌のアセンブリ手法を提案した.そして,実験的に,誘引物質を用いたバクテリア駆動マイクロ構造体の運動方向制御,付着数・位置を制御してのバクテリア駆動マイクロ構造体の作製,光ピンセットを用いて十分な強度で単一の菌体をマイクロ構造体上にアセンブリ可能なこと,などを示した.
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