Project/Area Number |
09041147
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | Field Research |
Research Field |
生態
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小池 勲夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30107453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
飯泉 仁 水産庁, 北海道区水産研究所, 室長 (00159550)
野島 哲 九州大学, 理学部, 助教授 (30112288)
向井 宏 北海道大学, 理学部, 教授 (00013590)
西平 守孝 東北大学, 理学部, 教授 (80004357)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥11,200,000 (Direct Cost: ¥11,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
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Keywords | 熱帯海草藻場 / アンダマン海 / 大型海草摂餌者 / ジュゴン / 12ハロフィラ / 沿岸環境保全 / 栄養塩 / 海砂流動 / 海草藻場 / 底生動物 / 栄養塩動態 / タイ / ハロフィラ属 / 安定同位体 / 沿岸生態系 |
Research Abstract |
本研究はタイ南部のアンダマン海に面した熱帯海草藻場において海草の主要な摂餌者の1つであるジュゴンと海草藻場との相互作用を中心にタイのカセサート大学研究者との共同で調査を行った。調査の主要な項目は1)海草藻場の物理・水質環境の把握、2)藻場の生物群集構造の解析、3)海草の成長およびその制御因子の解析、4)ジュゴンの食性およびその摂餌速度の推定、5)ジュゴンの摂餌後での藻場の回復である。現地調査は10年の3月と12月および補足調査を11年3月に行った。平成10年3月にはハロフィラを主体とする潮干帯の藻場でのジュゴンの摂餌を克明に観察することに成功し、その食み跡から摂餌行動および摂餌量の推定を行った。ここには同じ1個体のジュゴンが満潮時に現われ、1-2時間で約5kgのハロフィラを摂餌すること、この付近の海草藻場は5-6種の海草からなる混合群落であるがジュゴンは主にハロフィラを選択的に摂餌していること、ジュゴンによる摂餌はハロフィラの食み跡部分での成長速度を増加させることなどが解った。又この海域は夏は季節風の影響を強く受け、12月の調査時には潮干帯の八ロフィラ藻場は海砂でほぼ埋没しており、摂餌場所は潮下帯の藻場に移行していることが推測された。海草の中でハロフィラは地下部が浅く又栄養価の高い部分が多いことなどからジュゴンに好まれると思われる。11年3月の補足調査では海砂の埋没の少なかった潮干帯下部のハロフィラ藻場にジュゴンが戻って来ているのが確認された。このアンダマン海側のタイ南部は島の多い入組んだ地形であり多くの河川による陸からの土砂や栄養塩の供給があることから豊かな海草藻場が形成されている。又撹乱する環境でのパイオニア種であるハロフィラ藻場も多いここからジュゴンの生育には適した自然環境であるが、活発な網などを使った沿岸漁業活動がある程度のマイナス要因として働いていることが推測された。
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