悪性黒色腫に発現する融合症遺伝子EWS/ATF1の癌化機構における役割の解明
Project/Area Number |
09254225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
萩原 正敏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10208423)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | CREB / ATF1 / 増殖関連遺伝子 / CRE / E1A |
Research Abstract |
我々は以前よりcAMP依存性に増殖する細胞株の分子機構に注目し、cAMP反応性エレメント結合蛋白CREB/ATF1によって制御される増殖関連遺伝子の同定を試みてきた。最近、Zucmanらにより悪性黒色腫の一部(MMSP)においてEwing肉腫癌遺伝子EMS)が転写因子ATF1と融合遺伝子を形成していることが判明しており、細胞増殖機構において、CREB/ATF1が果たす役割に注目が集まっている。実際、PCNA(増殖性細胞特異的核抗原)やcyclinAのプロモーター領域にはCREが存在する。 ATF1ロイシンジッパー中のArgをLeuに点突然変異させることによってATF1ドミナントネガティブ分子を作製した。このミュータント蛋白(ATF1RL)は野生型CREBとヘテロダイマーを形成するがDNA結合できないのでCREBドミナントネガティブとして作用するこたが明らかとなった。実際、PC12細胞でATF1RLを過剰発現させると、CRE結合能が低下し、PC12細胞のcAMPによる神経突起伸張が抑制された。そこで、E1Aをtransfectしてtransformしたヒト腎由来の293細胞に、ATF1RL発現ベクターを導入して、細胞増殖に対する影響を調べた。その結果、ATF1RLの過剰発現は293細胞の形態にも、増殖能にも影響を与えなかった。ATF1RLはCREBによる転写活性化は抑制できるが、ARF1による活性化には影響がないため、E1Aの下流の増殖制御カスケードはCREBではなく、ATF1によって制御を受けていることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)