ヒトPC3遺伝子のクローニングと糖尿病における突然変異の検索
Project/Area Number |
09671069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
大萩 晋也 和歌山県立医大, 医学部, 助手 (90244748)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | プロインスリン変換酵素 / PC3 / 突然変異 / 肥満 / NIDDM |
Research Abstract |
プロインスリン変換酵素であるPC3は、インスリンの生合成に重要な役割を果たしている。したがって、PC3は新たなNIDDMの候補遺伝子として注目されている。本研究では、NIDDMにおけるPC3遺伝子異常を検索する第一歩として、ヒトPC3遺伝子の同定をおこなった。ヒトPC3のcDNAをプローブとしてライブラリースクリーニングをおこなった結果、ヒトPC3遺伝子は14個のエクソンにより構成され、全長は35kb以上の遺伝子であることが判明した。PC2とPC3の遺伝子のエクソン-イントロン構造は高率に一致しており両者が共通の祖先より由来することが考えられた。PC3遺伝子の近傍には適当なCA repeatが同定されなかったため、PC3遺伝子に関しては直接、各エクソンに対しイントロン内に14対のプライマーを設定し、single strand conformational polymorphism(SSCP)法で遺伝子異常の検索をおこなった。その結果、エクソン2(Arg^<53>→Gln^<53>)とエクソン14(Gln^<638>→GLU^<638>)の2ケ所にミスセンス変異を同定した。エクソン2の変異はNIDDMで1%、健常者で2%、エクソン4の変異はNIDDMで24%、健常者で22%で、いずれもNIDDMと健常者でその出現頻度に差はなかった。したがって、一部のNIDDMの原因遺伝子である可能性は否定できないものの、PC3遺伝子がNIDDMの主要原因遺伝子である可能性は低いものと考えられた。しかしながら、今回同定されたPC3遺伝子のエクソン-イントロンの塩基配列の情報を用いて、高度肥満と高プロインスリン血症を呈した英国人女性にPC3異常症が同定された。今後、肥満の原因遺伝子として、PC3遺伝子が注目されるものと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)