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観仏経典の成立史的研究

Research Project

Project/Area Number 09710012
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 印度哲学(含仏教学)
Research InstitutionKyushu Ryukoku Junior College

Principal Investigator

山部 能宜  九州龍谷短期大学, 仏教科, 助教授 (40222377)

Project Period (FY) 1997 – 1998
Project Status Completed (Fiscal Year 1998)
Budget Amount *help
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Keywords観仏三昧海経 / 観無量寿経 / 禅経 / シルクロード / トゥルファン / 維摩経 / 陰馬蔵相 / リンガ崇拝 / 禅定窟 / 初期密教 / Yogalehrbuch
Research Abstract

本年度の主たる成果は,以下の二点である.
(1) 『観仏三昧海経』 (『海経』)の中心的テーマである「観仏」の修行は,仏像を用いた観想行であったと考えられるが,このような行法を明確に説くインド文献が殆ど確認できないことが,従来の観仏経典研究の上での大きなネックであった.ところが,『大宝積経』中に編入されている「弥勤師子吼経」(「師子吼経」)には,『海経』の記述と極めて類似した観仏行が説かれている.ここで,「師子吼経」のインド成立には疑問の余地がなく,かつ本経が『海経』成立段階で漢訳されていないことは重要である.『海経』が疑経であったことを否定するのは難しいので,以上の事実は,恐らくは『海経』が中央アジアで成立したということを示唆するであろうまた,「師子吼経」の背後にはさらに『維摩経』があったものと思われ, 『維摩経』にみられるような極めて哲学的な「仏を見る」思想が,「弥靭師子吼経」を経て『海経』に見られる極めて視覚的な行へと変化していったことが伺われるのである.
(2) 『海経』にみられる陰馬蔵相をめぐる四つの説話は,極めて特異なものであり,他の仏典に類例を見ないものである.これらの説話には,明らかにインド・シヴァ派のリンガ崇拝の影響が認められるが,リンガ崇拝が中国では殆ど知られていなかったことは,上述の「師子吼経」の場合と同様の問題をはらむものであり,示唆的である.さらにまた,『海経』における陰馬蔵の記述には,リンガのイメージとナーガのイメージとの混淆が見られること,中央アジアの美術表現からの影響が伺われること,漢訳仏典にみられる要素の不用意な導入が認められること,天山地域に確認される生殖器崇拝が,これらの説話の背景となっていた可能性があることなどを指摘した.これらの諸点は,『海経』が中央アジアの多文化混在状況の中から生み出されてきたものであるとする私の仮説を支持するであろう.

Report

(2 results)
  • 1998 Annual Research Report
  • 1997 Annual Research Report
  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 山部能宜: "The Significance of the “Yogalehrbuch" for the Investigation into the Origin of Chinese Meditation Texts" 仏教文化. 9. 1-74 (1999)

    • Related Report
      1998 Annual Research Report

URL: 

Published: 1997-04-01   Modified: 2016-04-21  

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