Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
1. 研究の目的および方法は,昨年度の報告書による。 2. 今年度の研究成果 今年度は前年度の研究成果をふまえた年度当初の研究実施計画にしたがい,主として長崎における外国人関係訴訟(民事事件)の実態分析を行なうとともに,開港場の抱える諸問題が世論の形成に与えた影響について考察した。その結果得られた新たな知見の概要は,つぎのとおりである。 (1) 長崎における外国人関係訴訟をめぐる実態分析 長崎で発生した外国人関係訴訟事件(民事)の概要とその特質を居留地行政および長崎貿易との関連において,主として長崎県立長崎図書館郷土課所蔵の多数の史料により分析した。その結果,訴訟による貿易統制と居留地行政との相関関係をはじめ,領事裁判権をめぐる諸問題の解明へ向けて多数の事実が解明された。 (2) 条約改正問題に対する世論の形成過程 開港場を中心とする国内の諸問題が民間世論の形成に及ぼした影響を解明するため,寺島外務卿時代の世論の概要について検討を加えた。その結果,この時代に民間の条約改正論が本格的に展開されはじめたこと,および,明治9年から領事裁判権撤廃論が主要な論調となっていることなどが明らかになった。 3. 今後の研究の展開に関する計画 前年度および今年度の研究成果をふまえ,今後は長崎以外の開港場で提起された外国人関係訴訟の実態分析(長崎との比較を含む),各開港場の動向が中央政府の政策立案過程に与えた影響の考察が主たる課題となる。
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