Project/Area Number |
09710359
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
その他の外国語・外国文学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
入山 淳子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (00272435)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Videha / jataka / nimi / sadhina / Nimi / Makhadeva |
Research Abstract |
Pali語によるKhuddaka Nikaya所收のNimijataka(NJ)が伝える,Videha国王に纏わる伝説群のうち、本年度は、王の生前の天界訪問譚を語る十偈に関連して、この十偈ほとんどそのまま収める、Sadinajataka(SJ)の現存テキストの構成について検討した。その際、Pali語諸伝本には、PTS、ビルマ、タイ王室,SHBの諸版と漢訳伝本を用い、それらを比較しつつ考察を進めた。 SJは、天界訪問をただ一つの主題とはするものの、十偈の中間と直後に、内容の矛盾する別の偈群が組み合わせられている。SJを取り上げる従来の研究の中に、SJの偈群の構成について論じたものはない。既に筆者が検討した、十偈の中間に後に挿入された三偈との関連も含め、今回は、SJ全二十偈すべてを検討し、SJ現存テキスト形成過程を、七段階により表示した。 その際、末尾四偈SJ17〜20について、王の動作を示す語に着目し、また、天界訪問譚という点からは、天楽の享受を拒む場合と享受する場合、また天界から帰還する意志を告げる場面で終わる場合と帰還後譚まで語る場合があることを見出したのち、いずれの伝本もが示す偈の組み合わせが、本来のものではないことを指摘した。すなわち、〈SJ17,19a><SJ19b,20〉として伝わっていたところに、天楽享受伝説の影響によりSJ18が挿入された際、SJ19が二分された跡を示すのが現存SJテキストである。 現存SJテキストが、天界訪問譚を語る十偈のテキストを、NJより忠実に採録し、これを母胎としながら、「天界からの帰還の後日」談、「王の天楽享受」譚、「出家修行者Naradaとの対話」場面などの諸伝説やモチーフ、また、当時よく知られていた諸偈を利用し、その内容を巧みに読み替えて、在家主義から出家主義へ、また仏陀の前世譚として仏教の教義に摂受してゆく跡を辿ることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)