電気化学的脱塩手法がPC部材の力学的挙動に与える影響
Project/Area Number |
09750544
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
土木材料・力学一般
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上田 隆雄 徳島大学, 工学部, 助手 (20284309)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | デサリネーション / PC部材 / 水素脆化 / 拡散性水素 / 低ひずみ速度引張試験 / 吸蔵水素量 / 処理後の回復 |
Research Abstract |
デサリネーションはコンクリート中の塩化物イオン(Cl^-)の除去を目的とする電気化学的手法である。デサリネーションはこれまで塩害により劣化したRC構造物への適用が検討されており、PC構造物への適用は見送られてきた。これは、デサリネーションをPC部材に適用する際の最大の問題点として、PC鋼材の水素脆化の可能性があるためである。そこで、本研究ではあらかじめ塩化物を混入したプレテンションPC角柱供試体およびPCはり部材にデサリネーションを施した時の、PC鋼材の水素脆化程度が部材としての力学的挙動に与える影響を検討した。 本研究から、得られた結果をまとめると次のようになる。 1. 熱処理材であるPC鋼棒と冷間加工材であるPC鋼線の水素脆化挙動を比較した結果、本実験で用いた鋼材に関しては、冷間加工材の方が厳しい水素脆化挙動を示した。この様な傾向は鋼材の引張強度により、統一的に解釈することができた。 2. 通電処理後のPCはり供試体に対する静的曲げ載荷試験の結果、水素脆化に起因するPC鋼材の破断などの脆性的な破壊状況は見られず、無処理の供試体と比較して、耐荷力や変形性能が低下する現象も見られなかった。 3. 通電処理を行ったPCはり供試体の主筋位置における平均ひび割れ幅は、同一荷重における無通電の供試体の平均ひび割れ幅よりも若干小さい傾向を示した。これにより、はり全体としてのたわみも通電処理により若干抑制される傾向を示した。 以上より、デサリネーションによるPC鋼材の水素脆化がPC部材としての力学的挙動に与える影響は、本研究の範囲では小さいと言えるが、より安全な運用を目指して今後のさらなる検討が必要であろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)