Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost : ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998 : ¥600,000 (Direct Cost : ¥600,000)
Fiscal Year 1997 : ¥1,300,000 (Direct Cost : ¥1,300,000)
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Research Abstract |
当初の研究計画では手術で得られた腫瘍組織から細胞を分離・培養(初期培養)し,得られた細胞からDNAを抽出,遺伝子解析を行う予定だった。しかし症例のほとんどは日本人に多い末端黒子型黒色腫であったことから,培養中の真菌や細菌の混入が多く,実際は申請時に計画で示した方法でのsamplingは非常に困難だった。そこで,平成10年度からは手術後に作成したホルマリン固定・パラフィン包埋ブロックから切片を作成し,ここから実態顕微鏡下に肉眼的に腫瘍細胞の豊富な部分を回収し,DNA抽出Kit(DEXPAT^R,TaKaRa)を用いてDNAの抽出を行った。標本から抽出したDNAサンプルを用いて,chromosome17q(nm-23H-1)領域におけるヘテロ接合性の消失(LOH)について解析した。なお,平成10年12月までに解析した症例は10例である。 <対象> 手術で得られた悪性黒色腫10例とそれぞれの症例に対応する血液から抽出したDNAsampleを用いた。その内訳は,acral lentiginous melanoma 8例,metastatic melanoma 2例である。 <結果および今後の展望> 今回の解析でchromosome 17q領域(nm-23H-1)におけるヘテロ接合性の消失は2例のみ観察された。今後は症例数を増やして統計解析を行うと共に,nm-23領域の遺伝子変化と臨床的予後の関連や他の因子(遺伝子異常)との関連,さらにはいくつかの遺伝子異常を組み合わせた場合の予後との関連について検討していきたい。
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