向精神薬の副作用発現と薬物代謝能との関連についての分子生物学的研究
Project/Area Number |
09770745
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Azabu University (1998) Kagawa Medical School (1997) |
Principal Investigator |
岩橋 和彦 麻布大学, 環境保健学部, 助教授 (00232695)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | CYP2D6 / CYP3A4 / CYP2E1 / 向精神薬 / 薬物代謝 / シトクロムP450 / CYP2C19 / 抗精神病薬 / 抗うつ剤 |
Research Abstract |
向精神薬のうち抗精神病薬や抗うつ薬は精神分裂病や躁うつ病において広く使用されており,精神症状を押さえるという効果を発揮している.しかし,その一方で,この抗精神病薬や抗うつ薬の使用には抗コリン作用,錐体外路症状,心血管系への障害等を含む様々な副作用が伴うことが多い.しかもこの副作用発現は必ずしも投与量に依存して起こるわけではなく,むしろ遺伝学的に,薬物の副作用を起こし易い個体の薬理的素因が強く関係していると考えられている.CYP2D6のPMタイプの患者において,その基質となる薬物の著しい血中濃度の上昇が見られ,副作用が出現しやすくなったとの報告や,PMタイプ以外の患者においてもcarbamazepineのようなP-450を誘導する併用剤を使用した場合に,CYP2D6によって代謝される抗精神病薬の代謝が亢進されて,その血中濃度が有意に低下する一方で心毒性を呈する代謝産物が増加するとの報告がある.この件については、我々は、特にハロペリドールでは その代謝が従来いわれてきたCYP2D6のみならず、むしろCYP3A4によっても代謝が行われ、しかも神経細胞にとって毒性のあるピリミジウムイオン代謝物はCYP3A4によって産生される可能性が強いことを示した。また、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)欠損者の飲酒量の増加には、CYP2E1が関与し、しかも、血中のアルコール濃度もに影響することが判明した。さらに、このCYP2E1はその遺伝子多形性(C/D,c1/c2)にも影響を受けつつ アルコールそのものによって誘導される可能性が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)