Project/Area Number |
09874112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
百瀬 孝昌 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10200354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志田 忠正 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (60025484)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 固体水素 / 量子固体 / レーザー分光 / 赤外分光 / 高分解能分光 / マトリックス単離法 / 分子イオン / 星間分子 / マトリックス / 高分解能 / ラマン分光 / フリーラジカル |
Research Abstract |
本研究の目的は、固体パラ水素マトリックス中では捕捉した分子が気相と同程度かそれ以上の分解能で分光ができるという特徴を生かして、固体パラ水素分子中に捕捉した電荷を持った化学的活性分子の赤外および可視・紫外領域の高分解能分光を行うことによりその構造や電子状態を明らかにすると共に、固体内での反応性を明らかにすることにある。特にプロトン付加した分子イオンおよびラジカルイオンを研究対象にして、その分光を行うことを試みた。イオン化の方法としては前年に確立した放射線照射法を用いた。固体水素を放射線照射することによりまず媒質である水素分子がイオン化され、生成したH_2^+はその後、電荷移動反応H_2^++H_2→H_2+H_2^+とイオン分子反応H_2^++H_2→H_3^++Hとを競合的に起こすと考えられるが、前者で移動する正電荷はその一部が単離した溶質分子をイオン化してラジカルカチオンをつくると期待される。一方後者で生成したH_3^+は回りの水素分子とH_3^+(H_2)_nというクラスターをつくり安定化すると見られるが、その一部は溶質分子と反応して水素陽イオンの付加した分子を生成すると考えられる。そこで、系内にイオンが生成するとその強い電場によって水素分子が赤外活性になる原理を応用して固体水素内のイオンの状態を調べ、赤外吸収の偏光依存性などから、固体内のイオンの分布を得ることができた。またスペクトル強度からイオンの密度がおよそ10^<13>cm^<-3>であることを明らかにした。一方でイオンを直接観測する方法として外部電場を変調することによる検出が有効であることを明らかにし、それによってイオンの周りの水素分子の状態を明らかにした。現在さらにイオン自身の構造を明らかにするために赤外スペクトルを詳しく検討しているところである。
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