Project/Area Number |
09877437
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉山 政則 広島大学, 医学部, 教授 (30106801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 孝一郎 広島大学, 医学部, 講師 (10211822)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 胃潰瘍 / 胃癌 / クローニング / 消化酵素 / Helicobacter pylori / ホスホリパーゼA2 / ホスホリパーゼA_2 |
Research Abstract |
研究代表者は、これまで食物の消化酵素として考えられてきた、膵臓でつくられる膵ホスホリパーゼA_2(hPLA_2)が、膵癌細胞の増殖を促進することをごく最近発見したことから、 「胃に棲息するピロリ菌(Helicobacter pylori)が、もしも、ホスホリパーゼA_2を産生しているならば、本酵素が胃潰瘍や胃癌の要因となるかも知れない」という作業仮説を立てた。そこで、本研究では、胃組織検体から分離したピロリ菌のホスホリパーゼA_2活性を調べると共に、本酵素遺伝子のクローニングを目的とした。平成9年度の研究により、ピロリ菌のいくつかの株はホスホリパーゼA_2を産生することを確認したが、その生産量はごく微量であった。そこで、平成10年度は、大腸菌のホスト・ベクター系を用いてピロリ菌の染色体ライブラリーを作製することにした。具体的には、ピロリ菌の染色体DNAをHindIIIで消化後、pUC18に挿入し、Escherichia coli DH5αに導入した。その結果、1500個の形質転換体からなる染色体ライブラリーが作製できた、このライブラリーから任意に10クローンを選び、それぞれプラスミドを分離後、ゲノムの挿入の有無を調査した。その結果、10クローンすべてが0.5〜2.0kbの間でH.pylori染色体DNAのインサーションを持つことを確認した。そこで、これらのクローンがホスホリパーゼA_2活性を発現しているか否か、レシチンの加水分解活性を測定することによりアッセイした。その結果、No.36と命名したクローンが本酵素を産生することを見い出した。今後は、このクローンの有するDNAインサートの塩基配列を解析する。さらに、ホスホリパーゼA_2遺伝子を強力プロモーターの支配下に置くことにより、本酵素の大量産生系を確立すると共に、得られた酵素を用いて胃癌や胃潰瘍との関連性を調査する。
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