遺伝子ターゲッティングの組換え頻度を調節する分子同定の試み:次世代の遺伝子治療への基礎的アプローチ
Project/Area Number |
09878152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
園田 英一朗 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50281093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 裕子 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10281726)
高田 穰 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30281728)
武田 俊一 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60188191)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | Rad51 / DNA修復 / 相同組換え / 誘導型ノックアウト / DT40細胞 / 染色体異常 |
Research Abstract |
出芽酵母においてRad51蛋白はRad52変異群に属し、遺伝子組み換えやDNA2重鎖切断の修復に働いていることが知られており、高等真核細胞でも同様な機能を担っていると考えられているが、その表現型は致死となるため十分な解析はできていない。今回、我々はテトラサイクリン抑制型プロモーター(Tet-off)システムを用い、Rad51-/-細胞株を単離し、Rad51蛋白の欠失が細胞増殖・分裂及び染色体の安定性に及ぼす影響を詳細に解析した。【方法】高頻度相同組み換えを示す鶏DT40細胞株を用い、まず片方の鶏Rad51遺伝子座をノックアウトした。次にテトラサイクリンにより抑制される活性化因子とヒトRad51(ヒトRad51)cDNAを導入し、ヒトRad51蛋白発現下に、第2の鶏Rad51遺伝子座のノックアウトをおこない、鶏Rad51-/-DT40細胞を得た。【結果】1)Rad51-/-DT40は、ヒトRad51蛋白発現下に野生株とほぼ同様の増殖分裂を示した。2)テトラサイクリン添加にて、細胞内HsRad51蛋白量は徐々に低下し、12時間後にはウエスタンブロットにて検出不可能となった。それに伴い12時間後より、すべての細胞が、G2/M集積しはじめ36時間後にはすべての細胞が死亡した。細胞がG2/Mに集積している18時間後に、コルセミド添加にて核型を分析すると多くの染色体断裂像が見られた。【考察】Rad51蛋白が高等真核細胞の増殖において必須であることが、はじめて明瞭に示された。Rad51蛋白の欠失により細胞同期がG2/Mでとまり、また多くの染色体断裂が出現して細胞が死亡する。このことは、Rad51蛋白が放射線などの外的要因によるDNA2重鎖切断のみならず、正常のDNA複製過程においても、DNA2重鎖切断修復を介して、染色体全体の安定性を保持していることが強く示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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