マンガン酸化物薄膜における電流注入による伝導異方性の発現機構の解明
Project/Area Number |
09F09035
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ファン ハロルド 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特任教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIE Yanwu 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | AFMリソグラフィ / 酸化物ヘテロ界面 |
Research Abstract |
原子スケールで制御された酸化物ヘテロ界面LaA10_3/SrTiO_3は、2つの絶縁体より構成されるにも関わらずその界面に電気が流れることが特徴である。近年原子間力顕微鏡(AFM)の探針に電圧を印加してLaA10_3表面をスイープすることによって、界面の伝導性を変化できることが発見された。この現象を応用することで、ナノスケールデバイスを作製することが本研究の目的である。昨年確立したAFM探針に電圧印加が行えるよう改良した装置を用いて、LaA10_3/SrTiO_3界面の電気伝導性を変調する技術をさらに微小な試料に適用した。予めHallバーの形状にリソグラフィを用いて定義した伝導パス(5μm四方)の狭い構造に対し、表面から電圧を印加して界面伝導パス内のキャリア密度を再現性よく不揮発に制御することに成功した。変調できるキャリア密度は~10^<13>cm^<-2>と、通常のFETと同程度であることからスイッチング素子としての機能を十分有することを証明できた。さらに、別途数mm四方の試料表面に各種溶媒(アセトン、水、アセトニトリル等)を塗布した後に電気輸送特性を測定したところ、塗布前と比較して抵抗値が数倍減少することを見出した。初期の抵抗値へ戻すには、空気中で200℃程度の加熱を要することから、溶媒分子は強く化学吸着していると考えられる。溶媒の極性の強さに抵抗の変化率が比例することからも、極性分子のLaA10_3表面への吸着によって界面電子構造が変調されて電気伝導が変化していることが示唆される。今回の結果より、酸化物薄膜デバイスを設計する際に表面分子と界面の静電的結合という新たな指針を得ることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)