分子系と凝縮系における高精度計算のための長距離補正密度汎関数の開発
Project/Area Number |
09F09044
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SONG Jong-Won 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 密度汎関数法(DFT) / 長距離補正した密度汎関数法(LC-DFT) / 短距離と長距離を補正した密度汎関数法(LCgau-DFT) / バンド計算 / アルカンの異性化エネルギー / 異性化エネルギー |
Research Abstract |
1、LCgau法のBecke97への適用(LCgau-B97) LCgau法を最近の交換相関汎関数Becke97に適用した新しい汎関数LCgau-B97を開発した。最近、米国のHead-Gordonグループが開発したωB97とωB97Xは、基底状態のみに対して良い精度を与えるのに対して、LCgau-B97は基底状態だけでなく、励起状態にも高精度を示した。 2、LC-DFTを用いた異性化エネルギー計算 従来のDFT汎関数では再現出来なかった分岐アルカンや線形アルカンの異性化反応エネルギーを、LCやLCgau法を局所応答分散力(LRD)汎関数と組み合わせ、異性化反応エネルギーの計算を行なった。今回はLCgau-DFT+LRD汎関数を様々な系の異性化エネルギーに適用し、他の汎関数より優れた実験値に対する再現性があることを確認した。特に環化反応の異性化計算には短距離交換が必要であって、LCgau法によって効果的に改善できることが分かった。 3、バンド計算に適した新しい汎関数の開発 固体系のバンド計算に適したhybrid汎関数法(Gau-DFT法)を開発した。従来のバンド計算に使われるhybrid汎関数法HSEは、HF交換項を内包するために誤差関数を用いているので、化学反応障壁の計算には誤差が大きくて適用することができなかった。また、誤差関数を2回使うHISS汎関数は反応障壁計算には使えるようだが、誤差関数を2回使うことで計算コストが高いという問題がある。しかし、今回開発したGau-DFTではGauss関数を一回使うことにより、バンド計算だけでなく、化学反応障壁も高精度で計算ができる。また、HF交換を内包するためにGauss関数を用いることで、最適アルゴリズムの開発により、かなり低いコストでのバンド計算が期待できる。この汎関数をGaussianO9に実装し、また凝縮系の計算に適したソフトであるQuantum Esspressoにも実装することに成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)