Project/Area Number |
09F09065
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷垣 勝己 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FAN Xiaoyan 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | グラフェン / 化学修飾 / 欠陥 / 電界効果トランジスタ / 電荷密度ピニング / リップル / 電荷パドル / 荷電不純物 / キャリア散乱 |
Research Abstract |
グラフェンは非常に高い電荷キャリア移動度を示すことから、将来の高速トランジスタ材料として大きな期待を寄せられている。しかしながら、トランジスタの主要な機能であるスイッチング素子の材料としてグラフェンを見た場合、バンドギャップが存在しないために高い電流オン・オフ比が取れないという致命的な欠点を有する。そのためバンドギャップ導入が望まれるが、その手法の一つとしてグラフェン表面の化学修飾が挙げられる。グラフェンはsp^2軌道のネットワークで形成されているが、表面への化学結合によりsp^2からsp^3への再混成が生じる。その結果としてグラフェンへバンドギャップが導入されると理解されている。昨年度はアリールジアゾニウム塩を用いてグラフェン表面に溶液による簡便な化学修飾を施し、化学修飾のトランジスタ特性への影響を調査した。本年度はこの手法による修飾度に影響を与える諸因子についてRaman散乱分光測定により調査し、リップルが多い場合と電荷パドルのキャリア密度が高い場合に修飾度が上がることを見出した。リップルが多いとグラフェン面へより応力がかかることになるため、sp^2結合の破断に要するエネルギーが小さくなると考えられる。電荷パドルのキャリア密度が多いとFermi準位のシフト量が大きいことを意味するため、電荷移動反応によるアリール基の結合の反応効率が上昇すると考えられる。本年度は更に、電子素子を作製する上で避けて通れないものの一つである電極との接合効果について、化学修飾後のグラフェン上に電極形成を行った場合のトランジスタ特性を評価した。化学修飾を施さないグラフェンを用いた場合とは異なり、電極下のグラフェンの電荷密度もゲート電圧で変調されるという、電荷密度のピン止めの外れという現象が起こっていることを見出した。
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