オゾンフラックスの増加に対する植物アポプラスト内防御メカニズムの解明
Project/Area Number |
09F09120
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Agricultural environmental engineering
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FENG Zhaozhong 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | オゾン / コムギ / イネ / アポプラスト / 抗酸化物質 |
Research Abstract |
オゾンに対する農作物の防御メカニズムを、気孔からのオゾンの吸収とアポプラスト中の抗酸化物質による解毒に関係付けて定量的に解明することを目的として、実験研究を進めている。今年度も、中国江蘇省江都市近郊で実施中の中国科学院土壌研究所の開放系オゾン濃度上昇実験に参加し、観測を行った。同実験は、屋外の圃場の空気中に直接オゾンを放出して実験区内の大気中オゾン濃度を高め、農作物の成長と収量に生じる変化を観測するもので、コムギの収量に及ぼすオゾンの影響について、品種間差が見出されている。この品種間差の原因を明らかにするために、過去3年間の実験結果をまとめて解析した。その結果、オゾン濃度上昇に対して、コムギの収量応答自体には有意な品種間差が認められないが、収量応答の主因である粒重の減少には明らかな品種間差が認められた。この結果は、光合成のオゾン応答やアポプラストのアスコルビン酸含量に関する品種間差とも整合的であった。すなわち、オゾンによって粒重が大きく減少するコムギ品種は、オゾン暴露に伴う最大光合成速度の低下や、CO2固定活性の低下、クロロフィル含量の低下程度が大きく、またアポプラストの還元型アスコルビン酸含量が低かった。こうした変化は、いずれも登熟期の光合成速度低下を通じて粒重の増加を阻害し、その結果収量を減少させたと考えられた。これらの研究成果を論文にまとめて、エンバイロンメンタルポリューションとグローバルチェンジバイオロジー誌に投稿し、いずれも掲載された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)