エジプト・メソポタミア・ギリシア・インドの天文学と占星術の文化交流
Project/Area Number |
09F09202
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Sociology/History of science and technology
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
矢野 道雄 京都産業大学, 文化学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROSS M.T. 京都産業大学, 文化学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 天文学 / 占星術 / エジプト / メソポタミア / ギリシア / インド / ヤヴァナ・ジャータカ / ネパール写本 / Pingree / Yavanajataka / ホロスコープ / 12宮 |
Research Abstract |
本研究課題については、『ヤヴァナジャータカ』(Yavanajataka,以下YJ)が最も重要なサンスクリット・テキストなので、矢野はRoss氏とともに、このテキストのPingreeによる校訂本の講1読を行った。冒頭数章だけでなく、数理天文学的な内容が見られる最終章(79章)も精読した。この部分こそメソポタミアの関数的な天文学が、地中海世界を通ってインドに伝えられたことを示すものとしてpingreeによって注目されていたものであるが、Pingreeのテキストにはいくつかの問題があることが明らかになった。YJをさらに丁寧に分析するためには、このテキストの影響を最も強く受けているVrddhayavanajataka(以下VYJ)との比較が重要である。このテキストもPingreeによる校訂本が出版されている。Ross氏はこれをベースにして電子テキストを入力し、矢野による校正を待つのみになっている。 矢野は基盤研究(C)の予算によってネパールの国立古文書館へ出張した際に、Pingree教授が用いたYJの写本を実見するとともに、VYJの写本の調査をおこなった。その結果、この古文書館でBrhadyavanajatakaという名前で登録されている写本が、実はYJの写本に他ならないことを発見した。これは上記の校訂本の批判的な研究を行うための貴重な資料になる。 サンスクリットの天文学・占星術文献はギリシアのプトレマイオス以前の天文学・占星術要素を伝えているところにその特徴があるが、Ross氏との共同研究により、YJ以前の、アレクサンドロスの東征にまで遡るギリシア・エジプト・メソポタミアの要素が複雑に絡み合った様子が明らかになりつつある。これについては昨年8月にオックスフォード大学東洋学部における国際会議でもRoss氏が発表し、高く評価された。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)