Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
結び目や絡み目の量子不変量と,結び目補空間の双曲体積との関係を予想した体積予想について研究を進めた.その中で,横田により明らかにされたカシャエフ不変量と結び目補空間の幾何的構造との対応をカラードジョーンズ多項式に拡張し,ノイマン-ジッカートによる単体分割から双曲体積やチャーン-サイモンズ不変量を調べる研究との関係を明らかにすることができた.これにより,双曲体積のみならず,チャーン-サイモンズ不変量についても,量子不変量との幾何的な対応関係を明らかにすることができた.これらの不変量が量子不変量のある極限として現れるというのが体積予想であり,このこと自体はまだ証明されていないのであるが,量子不変量からポテンシャル関数と呼ばれる関数を構成すると,その按点が幾何構造と対応し,そこでのポテンシャル関数の値(複素数)の実部が双曲体積で虚部がチャーン-サイモンズ不変量となるのである.量子不変量から双曲体積だけでなく,チャーン-サイモンズ不変量も出てくるということは,実例による計算では予想されていたのであるが,本研究により,具体的な対応のメカニズムが初めて明らかになった.さらに,横田による単体分割をより一般的な形に再構成しなおすことで,量子不変量から定義されるポテンシャル関数の按点と,結び目や絡み目の補空間の基本群のSL(2,C)表現との関係についても研究の道を開くことができた.SL(2,C)表現の特性多様体と按点全体のなす空間とが対応し,ポテンシャル関数の研究が基本群のSL(2,C)表現の研究においても大変重要なことがわかった.
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