Project/Area Number |
09F09244
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三宅 弘之 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GREGOLINSKI J.S. 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | キラル / 希土類錯体 / 外場応答 / 超分子 / 分子認識 / 結合異性 / 発光スイッチング |
Research Abstract |
タンパク質やDNAなど生体高分子に見られるように、キラルな構成単位を含むらせん型分子は、選択的に分子を認識し、それらの情報を伝達・増幅し、さらには触媒的にエナンチオマーを生成するという特異な機能を担っている。金属錯体の配位立体化学を活用するとらせん型分子を比較的容易に形成することができるが、より精密な分子プログラミングを行いスイッチング特性を持たせるなど機能発現に向けた新たな展開を図る必要がある。我々はアミノ酸より誘導した光学活性な直鎖型配位子を含む遷移金属錯体がらせん構造を形成し、アニオン刺激により瞬時にらせんの向きが反転する錯体や、酸-塩基刺激によりらせんピッチをコントロールできる錯体を設計・合成してきた。本研究では、これまでに得られた知見に基づき、新たに種々の配位数可変型のトリポード型キラル配位子を設計・合成し、アミド配位基の外場応答による結合異性化と補助配位部位の脱着を活用した発光スイッチング型希土類錯体の構築を目指した。芳香族アミド末端を導入したキラルなトリポード型の7-10座配位子を設計し、多段階を経てその合成に成功した。フェノール末端をもつ配位子はX線結晶構造解析によりその構造を明らかとすることができた。しかし、合成したキラル配位子は、希土類イオンと安定な錯体を形成することは非常に困難で、常温で分解する傾向にあった。このトリポート型配位子は遷移金属イオンとは安定な錯体を形成し、スクリュー型構造を持つことが示唆された。また、ジメチルアミンやクロロホルム分子を取り込むことも明らかになったことから、中性分子やアニオン分子を包摂する新規なキラルホスト分子としての可能性を持つと期待される。
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