Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
超電導ケーブルは損失が少なく,かつ,コンパクトで大容量の電力を輸送できるので,人口稠密な大都市圏の地下ケーブルの容量増大に適しており,開発が世界で精力的に進められている。開発されている超電導ケーブルの中でも,最もコンパクトで漏洩磁界の少ない構成を有する3相同一軸超電導ケーブルは極めて有望である。その実現化のためには,交流損失の低減化が重要である。 本研究では,3相が同一軸に構成されるので,各相の電流の位相と印加される磁界の位相が異なるため,超電導体に臨界状態モデルを適用して両者の位相が異なる磁界中での交流損失を解析的に初めて導出した。一方,3相同一軸ケーブルでは,各相の半径が異なり,各相の電流分布が不平衡になるため,導体を長手方向に2分割で構成する方法を新しく提案し,電流の平衡分布が得られることを理論的にも実験的にも証明した。これらの解析方法を組み合わせて,3相同一軸超電導ケーブルに適用して,種々の運転モードにおける交流損失を求めることに成功した。各相が平衡電流分布の場合の交流損失を解析し,損失を最小化できるピッチとの関係を明らかにした。 解析の妥当性を実証するために,超電導導体の電流と異なる位相の磁界による交流損失の測定を実施した。実験では,超電導体に一様な磁界を印加できるレーストラック型コイル,通電損失を測定するためのスパイラルコイルや,試験体の磁化を測定するためのサーチコイルを設計・製作した。また,異なる位相の電流を発生できる可変周波数電源,試験体の電圧を測定する端子,ロックインアンプ測定装置などを用いて測定した。実験では,単体の通電損失,単体の磁化損失,電流と位相の異なる磁界を印加した磁化損失を個別に測定して評価した。通電損失と磁化損失は予想した理論値と良く一致した。また,前年度までに構築した位相の異なる磁界印加の交流損失解析値と実験値を比較した結果,位相特性の傾向や大きさが一致したことが分かった。
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