温度および水分条件がブドウのフラボノイド生合成に及ぼす影響
Project/Area Number |
09F09516
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Horticulture/Landscape architecture
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Research Institution | National Research Institute of Brewing |
Principal Investigator |
後藤 奈美 独立行政法人酒類総合研究所, 醸造技術応用研究部門, 部門長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
POUDEL Puspa Raj 独立行政法人酒類総合研究所, 醸造技術基盤研究部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ブドウ / アントシアニン / フラボノイド / 水分ストレス / 高温ストレス / 気象条件 |
Research Abstract |
わが国では、赤ワイン用ブドウ及び生食用ブドウの充分な着色が得られず、問題となることが多い。平成22年度は、前年度に引き続き、日本各地のワイナリーから赤ワイン用ブドウメルローのサンプルの提供を受け、アントシアニン濃度(目的変数)に対して有意な影響を及ぼす気象条件、成分値の検討を現在行っている。なお、水分ストレスの影響の指標となると報告されている果汁のδ^<13>Cは、棚栽培、垣根栽培の違いに大きく影響されるため、水分ストレスによって生合成が促進することが明らかにされているアントシアニンとの有意な相関は認められないことが明らかになった。 これまでの研究で成熟期の高温条件はブドウ果皮のアントシアニン蓄積を抑制するが、縮合タンニン(プロアントシアニジン)には有意な影響を与えないことが示されている。そこで、果粒培養系を用いて、生育初期(幼果期)の温度の影響を検討したところ、高温条件で縮合タンニンの蓄積が抑制されることが明らかになった。また、これまでに、成熟期の高温条件は、一度生合成されたアントシアニンを減少させることを安定同位体を利用して報告しているが、本年度はこの実験系にタンパク質生合成阻害剤のシクロヘキシミドを添加した実験を行った。その結果、ラベルされたアントシアニンの減少にシクロヘキシミドは影響せず、アントシアニンの減少には新規に合成される酵素の関与は少ないものと推定された。 アントシアニンの生合成系は転写制御因子のVvMybAsによって制御されることが知られているが、ベリー・アリカントAではVvMybA1が果肉など多くの組織で発現し、アントシアニンを蓄積する。そこで、この品種のVvMybAのプロモーター領域のシーケンスを調べたが、他品種との有意な差違は認められず、VvMybA1の発現制御がこの品種で異なる原因は他にあると推察された。 なお、以上の結果には、一部当グループのメンバーと協力して行った研究を含む。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)