Project/Area Number |
09F09720
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗田 敬 東京大学, 地震研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANTOINE Raphael 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
ANTOINE R. 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 多孔質媒体 / 熱輸送 / 活動的火山 / 噴気活動 / 流動電位 / 速度場計測 / 火星 / レゴリス層 / 活火山 / 熱構造 / 自然電位 / 浸透対流 / 2相流 / 浸透率 / 火山 / 熱対流 / 熱放射 / 温度場 / スコリアコーン |
Research Abstract |
活動的火山における熱収支を明らかにする目的で取り組んできた本研究では、研究を3つの手法に分けて遂行してきた.1)観測的取り組み:活動的火山の野外熱観測より、どのような形での熱の輸送が関与しているのかを明らかにする.従来注目されてこなかった多孔質の火山体からの空気流による熱の輸送を重点的に調べた.観測対象としては2000年に噴火を起こした伊豆三宅島火山を選んだ.頂上カルデラ付近の大きな割れ目内部に温度計、風速計を設置し、空気流による熱輸送量を定量的に見積もった.このような観測は従来ほとんど行われておらず、過去に比較できるようなデータは無い.昼間・夜間での空気流の出入りの様式の違いや突発的な変化も観測された.また2年間の断続的観測では徐々に熱輸送量は減少してきていることも明らかになった.前年度までの観測を参考に今年度は温度計の設置点数を増やし、クラック内での空気流流れのプロファイルの計測も行った.2)多孔質媒体中の熱輸送の研究:多孔質媒体中の流体の浸透流移動による熱輸送を実験的・シミュレーションから明らかにした.従来多孔質媒体の浸透流の研究は内部が不透明で不可視の場合が多く、その実験的な研究には多くの制約があった.特に流速の計測にPIV,LDVのような手法が適用できずに、定量的な速度場の見積もりができない点は大きな問題であった.昨年度より浸透流に伴う流動電位の観測が流速の推定に用いることができるのではないか、との目論見から実験的研究と数値シミュレーションを行ってきた.実験では局所化固定熱源を用い、実験槽内に複数の電極を設置し電位分布の時間変動を計測し、温度場の変化と比較した.同じ系を数値シミュレーションをおこなった.両者ともにほぼ同様な局所化熱源によるStarting Plume Flowに起因する電位変動をしめし、流動電位の計測が浸透流対流の流速の推定に有効であることが示された.過去にこのような見積もりはなされておらず、浸透流対流の実験的研究に新たな光を与えるものと期待される.3)多孔質媒体中の空気流が熱輸送・温度構造に与える影響の評価:惑星表面はレゴリス層に覆われて多孔質媒体である,大気の存在する火星などではこの層内の空気の対流による熱輸送が重要となる.火星の大規模な割れ目系での温度異常の観測的な研究とその解釈のための数値シミュレーションを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
流動電位を浸透流の速度場推定に用いる手法の実証など新しい成果が得られたが、東北大地震による国外退避の影響で研究が中断されたのは当初の予定から遅れた原因である.
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Strategy for Future Research Activity |
日本、フランス双方で浸透流対流と流動電位観測の問題は継続的に研究を進めていくことで合意しており、共同研究としてフランス側研究機関に研究計画を提出している.
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)