細胞外熱ショックタンパク質70-酸性脂質複合体の構造と生理学的役割の解明
Project/Area Number |
09F09722
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北島 健 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GARENAUX Estelle 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 糖鎖 / 熱ショックタンパク質 / 硫酸化糖脂質 / グリコサミノグリカン / 細胞外Hs70 / 受精 / 複合体形成 / マウス / 細胞外Hsp70 |
Research Abstract |
本研究の目的はHsp70オリゴマーと酸性脂質複合体の機能と生物学的意義の解明であった。まず、Hsp70-酸性脂質複合体を生体内の細胞外環境から単離することに取り組んだ。今年度はその生体系としてブタ精子に着目した。Hsp70がブタ精子をはじめ種々の雄性生殖器官に存在することを見出し、特に精子の成熟が起こる精巣上体に多量に検出された。精子Hsp70は他の組織由来のHsp70よりも小さく、異なる抗原性をもっていた。また、精子Hsp70をATPアガロースクロマトグラフィーで精製した。さらにHsp70は主として細胞膜画分およびエキソソームと呼ばれる膜小胞画分に局在することをみいだした。これらの知見から、現在、精子のHsp70について二つの仮説を提唱する。ひとつは、オリゴマー化したHsp70は卵-精子相互作用を補助すること、もうひとつは、Hsp70の複合体形成は精子膜において起こり、精子の受精能獲得と深く関わること、である。そこで、Hsp70が精子の受精能獲得に関わる可能性を追求することとし、次に、今年度は、試験管内での受精能獲得の反応を最適化し、その過程におけるHsp70の局在変化を調べることにしたが、この研究においては、新しく精子の受精能獲得を判定するマーカーを確立することが必要であり、まずは、その課題にも取り組んだ。その結果、精子の生体膜マイクロドメイン(ラフト)に局在する小麦胚芽アグルチニンWGAエピトープをもつ糖タンパク質がマーカー候補になることを突き止めた。すなわち、受精能獲得後、WGAエピトープは減少した。中でもWGA16と命名した糖タンパク質に着目し、一定の成果を挙げることができた。まず、糖タンパク質を精製子、部分アミノ酸配列を決定し、その配列をもとにクローニングに成功した。一方、特異的抗体を産生し、その抗体によってWGA16が精漿成分として前立腺で生合成され、精子に結合する分子であることが判明した。現在、このタンパク質とHsp70との関係を解明する方向の研究を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)