Project/Area Number |
09F09769
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山内 泰 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ビームセンター, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PRATT Andrew (独)物質・材料研究機構, 量子ビームセンター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | マグネタイト / スピン偏極 / 準安定脱励起分光法 / 反応性蒸着 / 原子状水素 / ハーフメタル / 界面 / 表面 |
Research Abstract |
スピン工学で注目される高い磁気抵抗比を実現するには、Fermi準位の電子状態密度が100%偏極した、いわゆるハーフメタルが最も望ましい。しかし、バルクとしてハーフメタルであることが確認されていても、スピン素子の磁性・非磁性体複合構造において界面近傍まで、ハーフメタルであるかは必ずしも明らかではない。最も簡単な界面である清浄表面でさえ結晶構造の不連続性によって電子状態がバルクと大きく異なり、スピン偏極率もバルクの100%に達しない可能性が高い。マグネタイト表面については、スピン偏極光電子分光法を用いてスピン偏極率が40%から80%と見積もられている。しかしながら、光電子分光法ではバルクの寄与があるため、最外層の偏極率はさらに小さい値であることを昨年度、表面敏感性が極めて高い準安定ヘリウム原子線を用いるスピン偏極準安定脱励起分光法により検証した。今年度はさらにこれを発展させるべく、マグネタイト表面に吸着した有機分子に誘起されるスピン偏極を観測した。具体的には、昨年度開発した超高真空化学蒸着技術によりマグネタイト薄膜をエピタキシャル成長させ、その上に今年度開発した有機分子蒸着源を用いてベンゼン分子とAlq3分子を吸着させたところ、分子にスピン偏極が誘起されることを見出した。さらに水素原子線に曝すことで水素終端した表面においても、ほぼ同じスピン偏極が誘起されることが分かった。この成果は、有機スピントロニクスにおけるマグネタイトの可能性を示唆する。
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