Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Research Abstract |
本研究では,特にプロトン伝導型固体酸化物燃料電池のためのプロトン-電子(ホール)混合伝導性を有する新規酸化物カソード材料開発の方向性を検討する.特に両性サイトパーコレーション伝導に着目し,プロトン伝導性マトリックスと電子(ホール)伝導性マトリックスの固溶体を作製することによりプロトン-電子(ホール)混合伝導性を発現させる. これまで,プロトン伝導性マトリックスであるBaZrO3とホール伝導性マトリックスであるBaPrO3が広い範囲でペロブスカイト構造の固溶体(BaZr1-xPrxO3)を形成することに着目し,検討を進めてきた.平成23年度においては,前年度までに高温X線回折測定により示唆された相転移挙動について更に詳細に検討するため,高温Raman分光測定を行った.Pr濃度が高い組成においてはバンド間遷移に起因すると考えられる蛍光による妨害が見られたが,この問題は長波長レーザーを用いることにより避ける事が可能であった.高温Raman測定の結果から,高温X線回折により観測された相転移(体心斜方晶→単純斜方晶→菱面体晶→立方晶)に対応すると考えられるスペクトル変化が観測された.特に,Ramanスペクトルは結晶構造変化に鋭敏に依存し,従来のX線回折法と比較して上記の相転移温度をより精密に決定できることがわかった.また,高温における結晶相を温度・組成の関数として系統的に検討する事により,室温における結晶系を含めた相関係の包括的な描像を把握する事が可能であり,両性サイトパーコレーション伝導に基づくBaZrO3-BaPrO3系プロトン-ホール混合伝導体開発のための重要な知見を得た.
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