日本の裁判員制度の導入を社会全体の制度の受入れ及び政策決定過程から分析する。
Project/Area Number |
09F09818
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 淳子 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CROYDON Silvia 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 裁判員制度 / 刑事裁判 / 裁判の透明性 / 被告人権利 / 司法制度改革審議会 / 日本弁護士連合会 / 冤罪事件 / 刑事事件のスピード化 / 政治的妥協 / 日本国民性・文化 / 市民の刑事司法参加 |
Research Abstract |
裁判員裁判の事件の大多数において被害者参加人陳述が使われる中で、被害者参加精度のあり方やその有無の実証的評価を行うことにした。検討の対象は、被害者参加人陳述が豊富に採用されたある殺害事件とした。そこで述べられた被害者参加人陳述の効率を、歴史的に考慮された刑罰を与える目的として、もっとも影響力があったとされる3つ基準、「修復的司法」、「応報的正義」「更生司法」の促進効果に照らして評価した。 「修復的司法」に関しては、検討対象の事件から言うならば、遺族陳述に遺族の心的回復のような精神治療効果がなかったとは言えない。しかし、「望んだ結果にならなかったことは大変残念で【ある】。裁判官・裁判員の方々には一定の理解をしていただけたと信じて【いる】が、それでも超えることのできない司法の壁を痛感してい【る】」という裁判後に新聞で発表された遺族の言葉からすると、彼らが期待した判決が下されなかったことで消えることの無いところの苦痛に制度への失望が加わったことを認めざるを得ない。遺族に、当事者が求めたのと異なる刑を判断者に要請するような陳述が認められたことで、彼らにその後下される刑への誤った・非現実的な希望を持たせ、修復的司法の可能性をむしろ損失させた。 次に、量刑をより当犯行に匹敵するようなものにするというこの遺族陳述の応報的効果については、遺族陳述は確かに多くの情報を裁判官・裁判員に与え、法廷で流された涙からすると、少なくとも何人かの裁判員の心も動かせた。 しかし、「感情を抑えて、法にのっとって判断した」、「遺族の悲痛な声に胸が痛くなったが、冷静さを保って判断するよう努めた」と裁判員2人が後に話したように、刑を決める際、遺族陳述から受けた影響を故意に抑えたならば、それらの陳述の量刑判決への貢献が妨害されたことになるであろう。 最後に、「更生司法」に関しては、犯人を自分が犯した悪事の破壊的影響に立ち向かわせ、それを把握させることによって、当人の更生を助け、再犯防止をする、とされる遺族陳述の更生効果が存在するかどうかというのは、服役後の態度を長い期間見守らないと評価しかねる。しかし、当事件を一目見た限りで言えるのは、被告人が遺族から厳しい言葉を聞かされ、反省を示したからと言って、再犯に走らない確信は得られない。なぜなら、彼は今回の事件を起こすまで犯罪を2度も犯してきたが、そのたびに謝罪記録を残している。3度目の謝罪こそが誠実であるという保証は全くない。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)