Project/Area Number |
09J00012
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 和也 北海道大学, 大学院・農学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ネギアザミウマ / 有性生殖の進化 / 性のコスト / 減数分裂のコスト / 性比 / オス生産のコスト / 気候 / 有性生殖 / 適応度 / マイクロサテライト / 性の進化 / 単為生殖 |
Research Abstract |
メスだけに投資する無性生殖と比べ、子を産まないオスを必要とする有性生殖はオスに投資した分だけ増殖率が下がるコストを伴う。にもかかわらずほとんどの生物が有性生殖を行うという事実は生物学における大きな謎のひとつである。多くの実証研究が有性生殖に有利性が存在することを示してきた。しかし、雌雄へ等しい投資を行う1:1の性比の下で予測される2倍のコストを超える有利性が示された事はない。本研究では有性生殖のコストが小さくなる条件に着目した。コストが小さくなる場合にはわずかな有利性があれば有性生殖は進化可能になる。そこで、有性生殖型と無性生殖型が共存するネギアザミウマの野外集団を用いて、無性型の割合が少ないほど有性型の性比がメスに偏っていることを示した。また、一日の気温の変化量が大きい地域では無性型の割合が少なかった。これらの結果はメスに偏った性比が有性生殖のオス生産のコストを減少させ、一日の気温の変化が有性生殖の有利性に寄与していると考えられた。加えて、実験室内における増殖率は無性型と有性型間でも無性型の地域間でも違いは見られなかったため、地域間の増殖率は遺伝的要因によって大きく異なっているわけではない事が示された。本研究は実際の生物を用いて、従来考えられていたよりわずかな有利性があれば有性生殖は進化可能である事が示している。この結果は、生物における性の存在の意義について一つの回答を提示している。
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