Project/Area Number |
09J00040
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanostructural science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 浩太 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | スピントロニクス / 磁壁回転 / 数値シミュレーション / 磁壁移動 / トンネル磁気抵抗効果 / 2次元数値シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は、垂直磁気異方性を有するCo/Ni細線内の磁壁に関する研究を行った。C/Ni細線中の磁壁は細線幅や膜厚を制御することで低電流密度での磁壁電流駆動が可能な材料であるため、近年盛んに研究されている。磁壁は、磁壁内部の磁化(スピン)が回転しながら移動していることが、理論やシミュレーションから明らかにされている。私はこの機構に着目し、磁壁回転素子という磁壁を用いた新規デバイスの開発を試みた。本年度は、まず細線中に設けたノッチ部にピン止めされた磁壁構造の同定を目的に研究を進めた。実験では、約35-88nmmのノッチ幅を有する試料を、電子線リソグラフィとアルゴンミリングを利用した微細加工によって作製し、測定にはロックインアンプを用いることで磁壁の導入による微小な抵抗変化(磁壁抵抗)のノッチ幅依存性を調べた。実験結果と数値シミュレーションの結果を比較することで、ノッチ幅が45nm以下ではNeel磁壁、それ以上ではBloch磁壁が安定に存在することを明らかにした。また、測定した磁壁抵抗は、Neel磁壁では異方性磁気抵抗効果、Bloch磁壁ではIntrinsicな効果(s-d散乱の効果)が支配的であるということを理論モデルを利用した計算によって明確に示した。現在これらの成果を論文にまとめ投稿中である。また数値シミュレーションから、Neel磁壁とBloch磁壁のエネルギー差がより小さな場合、磁壁回転が最も起こりやすいことがわかっている。そのため、今回の磁壁抵抗測定による磁壁構造の同定に関する結果は、新規デバイスの開発を行う上で非常に重要な結果である。
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