Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
1.研究成果 本研究では,白色固体光源用希土類含有透光性セラミックス蛍光体材料の作製とその評価を試みた.この透光性セラミックスを,共沈法により得られるナノ粉体を用いた焼結法により作製した.この材料では,内部での散乱を減らすために光学等方体である立方晶系の結晶を用いる必要がある.本研究では,透光性セラミックスの組成として,立方晶系(光学等方体)の結晶構造を持ち,高い耐熱特性および優れた発光特性を持つCe:YAGを選択した. 試料から、465nm励起において530nm付近をピークに持つCe3+の5d→4f遷移によるブロードな黄色発光が見られた.また,厚さの増加に伴って,励起光の強度が減少しCe3+の発光が増加することがわかった.その色度座標は厚さ0.60~0.75mmの範囲で,色度図で白色領域に近い座標(x,y)=(0.3~0.35,0.4~0.5)を示し,青色光との組み合わせにより白色光を実現できることがわかった.また,各種発光特性の評価とともに、デバイス化する上で重要な特性である温度依存性を測定した.具体的には,吸収スペクトル(Ce:YAG),発光スペクトル(Ce:GdYAG)を測定した.吸収スペクトルの温度依存性の測定において,330nmの吸収バンドは温度の増加とともに増加し,460nmの吸収バンドは温度の増加とともに減少した.この傾向は基底準位の分裂および分裂後の準位から励起準位への遷移確率の違いにより説明できると考えられる.発光積分強度の温度依存性は,低温においてはGdの添加量によらずほぼ同じ傾向を示した.しかし,高温においては,Gdの添加量の増加に伴って,温度消光がより低温で起こった.発光ピーク波長は,温度上昇に伴い,20nm程度長波長シフトしていた.また,各試料の量子収率の最高値は,85.0~97.6%と高い値を示した. 2.意義・重要性 省エネルギー化を提唱する昨今において,低消費電力で駆動するLEDを用いた一般照明用白色LEDの開発は必須である.このことから,希土類含有透光性セラミックスを用いて高い耐熱特性および演色性を持った一般照明用白色LEDが実現した時のインパクトは非常に大きいと考えられる. また,添加する希土類と母体結晶の原子レベル制御により,用途に応じて電球色や昼光色などの発光色も十分に実現可能である.材料の光機能発現に関する学術的価値もさることながら,世界の照明機器市場に与える工業的価値は計り知れないものとなる.
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