Project/Area Number |
09J00063
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
川田 浩一 Setsunan University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 神経系幹細胞 / 活性酸素 / 一酸化窒素 / NO / cGMP経路 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
胎児海馬神経系幹細胞の増殖におけるNO/cGMP経路の役割について解析を進めた。NO合成酵素阻害薬のL-NAMEが細胞死に対して著変を与ることなくBrdU取り込みを著明に抑制したことから、同細胞の増殖を著明に抑制することが明らかとなった。一方、NOおよびスーパーオキシド供与薬のSIN-1は、BrdU取り込みを有意に促進させた。次に、可溶性グアニル酸シクラーゼ阻害薬のODQおよびプロテインキナーゼG阻害薬のKT5823はBrdU取り込み能をいずれも濃度依存的に抑制した。さらに、cGMPアナログの8-Br-cGMPはL-NAMEの増殖抑制作用に対して部分的な拮抗作用を示した。 NOS活性は細胞内遊離Ca^<2+>濃度により制御されることから、各種Ca^<2+>チャネル遮断薬の神経系幹細胞の増殖に対する影響を解析した。NMDA受容体チャネルを遮断するMK-801およびイフェンプロジル、電位依存性Ca^<2+>チャネル遮断薬のニフェジピンおよび小胞体リアノジン受容体チャネル遮断薬のダントロレンは、いずれもBrdU取り込み能を有意に抑制したが、NO_2産生はダントロレンでのみ阻害され、他のCa^<2+>チャネル遮断薬では有意な変化は認められなかった。 次いで、増殖シグナルに対するL-NAMEおよびODQの影響について解析を進めた。両薬物は、EGF受容体およびERKのリン酸化には著変を与えなかったが、Aktのリン酸化を著明に抑制した。 以上の結果から、内在性ROSは神経系幹細胞の増殖に必須であることが示唆された。中でも、内在性NOは、NO/cGMP経路を介してAkt経路を活性化することが明らかとなった。さらに、神経系幹細胞の増殖にリアノジン受容体を介するNO/cGMP経路が必須であることが示された。本研究の成果は、発生期の神経系構築および成体中枢神経障害後のニューロン新生メカニズムの解明への貢献が期待される。
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