現象学における「神学」論争:現代の哲学的神概念の検討
Project/Area Number |
09J00064
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Philosophy/Ethics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柿並 良佑 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 哲学 / フランス / 思想史 / 表象文化論 / 西洋哲学 |
Research Abstract |
研究の2年目はハイデガー以後、主にフランスにおいて大きく発展した「現れないものの現象学」の展開を追い、ジャン・グレーシュによる『燃える芝と理性の光』(特に第2巻)を始めとする先行研究の収集・整理に当たりつつ、この名称の下に括られる哲学者の重要概念を整理し、動向全体を再構成する作業に当てられた。「フランス現象学の神学的転回」をめぐる通史的研究はまだ緒についたばかりであり、とりわけ、絶対的他者、贈与、生といった「現れないもの」を主題とする一連の現象学運動に対して、ジャニコーが加えた批判により生じたマリオンとの「神学」論争の争点と内実を明らかにすることが研究作業の中心となった。またジャニコーによる批判を受けたレヴィナスとの間では表立った論争は生じていないが、晩年の『観念に到来する神について』を参照しつつ、いかにレヴィナスが「方法論」を意識して超越を語る可能性を練成していったかを検討し、ジャニコーの批判の射程を明確化することができた。また同時に、超越の扱い方をめぐり、マリオンとレヴィナスの見えるもの(le visible)の論じ方の差異から、「神学的転回」内部に認められる重要な差異を指摘した。なおこの研究の一端は「Interdiction, entre image et mot」と題して国際学会で発表された。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)