Project/Area Number |
09J00508
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松本 拓也 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ヌクレオモルフ / Lepidodinium / 葉緑体 / 3次共生 / 渦鞭毛藻類 |
Research Abstract |
本研究では、緑色渦鞭毛藻類Lepidodinium chlorophurumが持つ、共生藻退化核であるヌクレオモルフ (Nm) の探索を行っている。Lepidodnium葉緑体周辺区画内には、2重膜に囲まれ、穴の空いた構造体が電子顕微鏡観察により確認されている。葉緑体周辺区画は共生緑藻のかつての細胞質に相当し、そこに存在する2重膜構造体は退化・縮小した緑藻核、すなわちNMではないかと考えられている。しかし、Nm様構造体は、電子顕微鏡写真により確認されているだけで、DNAの存在は未知である。本研究では、EST解析を行い、ヌクレオモルフゲノムの構造を決定する。そして、クリプト藻類、クロララクニオン藻類が持つヌクレオモルフゲノム構造と比較することにより、真核共生体核ゲノムの縮退過程の解明を目的とする。 H23年度では、H22年度作成したcDNAライブラリーを用いて網羅的発現遺伝子(Expression Sequence TagあるいはEST)解析により配列情報を獲得した。そめ中で特に緑藻類に相同性を示すハウスキーピング遺伝子(転写、翻訳、複製に関する遺伝子)を、BLASTサーチプログラムを用いて探索した。これらの配列は、L.chlorophorumが持つNm関連遺伝子である可能性が高い。その結果、緑藻類と近縁性を示すHistonや、eukaryotic initiation factor(翻訳開始因子)遺伝子の部分配列が得られた。これら配列データは、NMにゲノムが存在し、翻訳、転写が行われている事を示唆している。得られた配列情報を基に分子系統解析を行ったがその起源ははっきりとはしなかった。 今後は、完全長配列を取得し、分子系統解析に基づいて起源を精査していく。また、輸送システムについても輸送配列の精査を行い、そのメカニズムについて言及する。
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