Project/Area Number |
09J00540
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南谷 英美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 近藤効果 / Ruderman-Kittel-Kasuya-Yosida相互作用 / 走査トンネル顕微鏡 / 数値くりこみ群 / STM / 2不純物近藤効果 / RKKY相互作用 |
Research Abstract |
金属表面上の2磁性原子で現れる、近藤効果とRuderman-Kittel-Kasuya-Yosida (RKKY)相互作用の競合(2不純物近藤効果)の走査トンネル顕微鏡による観察に関する理論的研究について数値くりこみ群を用いた研究を行った。今年度は特に、磁場による効果を解明することを目指して、数値くりこみ群のなかでも高精度とされる、Complete Fock Space法を用いた計算コードを実装し、有限磁場・有限温度下での1粒子励起スペクトルの計算と、それに基づく走査トンネル分光スペクトルのシミュレーショシを行った。その結果、磁性原子の局在スピン間に反強磁性RKKY相互作用が強く働く場合には、ゼロ磁場下では走査トンネル分光スペクトルのFermiレベル近傍にディップ形状が現れるが、磁場を印加すると、ある特定の値の磁場下で、Fermiレベル近傍に、近藤効果が存在するときと同様のピーク形状が現れることを明らかにした。位相シフトの解析結果から、このディップ形状からピーク形状への変化は、磁場の印加により反強磁性RKKY相互作用がキャンセルされ、反強磁性RKKY相互作用によって抑制されていた近藤効果が復活することに起因すると結論付けた。この結果は、近藤効果を利用することによって、磁性原子の局在スピン間に働くRKKY相互作用の強度を同定できることを示している。得られたスペクトル形状の磁場依存性を、Cu_2N/Cu(100)上のCoダイマーで得られた走査トンネル分光スペクトルと比較したところ、定性的な傾向が良く一致した。これらの成果を、Physical Review B, Vol.82, pp.153203 (2010)、Surface Science, Vol,604, pp.2139 (2010)の2編の論文にまとめ出版し、The 6th International Workshop on Nanoscale Spectroscopy and Nanotechnology等3つの国際会議と2つの国内会議にて発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)