神経伝達物質およびその反応生成物による活性酸素種の消去反応の解析
Project/Area Number |
09J00625
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences (2010) Osaka University (2009) |
Principal Investigator |
川島 知憲 独立行政法人 放射線医学総合研究所, 重粒子医学センター, 学振特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 活性酸素種 / スーパーオキシド / p-ベンゾキノン誘導体 / 金属イオン共役電子移動反応 / 神経伝達物質 / ドーパミン / DNA切断反応 / 芳香族アミノ酸 |
Research Abstract |
本年度の研究において、スーパーオキシドの電子移動反応を詳細に解明した。昨年度の研究によって、神経伝達物質の中でもカテコールアミン類神経伝達物質が活性酸素種を効率よく消去して、DNA切断反応を顕著に阻害することを見出しいる。一方で、神経伝達物質や芳香族アミノ酸に光照射をすると活性酸素種の一つであるスーパーオキシドが生成してDNAを切断することも明らかにしている。ここで、スーパーオキシドは酸素が一電子還元されることによって容易に生成する活性酸素種であることをから、本年度はスーパーオキシドの電子移動反応の解明を目的とした。 スーパーオキシドの電子移動反応を調べるための問題点として、スーパーオキシドの不安定性と、分光学的特徴が乏しい点である。そこで本研究では、スーパーオキシドに金属イオンが結合した安定なスーパーオキシドー金属イオン錯体を用いて、その電子移動反応の検討を行った。金属イオンとしてスーパーオキシドと安定な錯形成をすることがわかっているスカンジウムイオン-ヘキサメチルトリリン酸アミド錯体を用いた。このスーパーオキシド錯体の電子移動反応を、電子受容体として生体内に存在するキノン誘導体であるコエンザイムQ10などのp-ベンゾキノン誘導体を用いて検討した。その結果、スーパーオキシド錯体からp-ベンゾキノン誘導体への電子移動反応は、p-ベンゾキノンの還元電位によって共役反応と段階反応の2種類にわけられることがわかった。この結果については、米国フロリダで開催された国際会議SFRBM/SFRRI 2010において発表を行い大きな注目を集めた。また原著論文としてPhysical Chemistry Chemical Physicsに報告済みである。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)