Project/Area Number |
09J00661
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 洋平 Kyushu University, 工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 熱整流作用 / ナノチューブ・ナノファイバ / 熱伝導率計測 / 非平衡分子動力学法 / MEMS / NEMS |
Research Abstract |
ナノ熱ダイオード素子の発現を目指し、カップスタック型カーボンナノファイバ(CSCNF)一本の熱伝導率の方向依存性を計測することで、構造の異方性に起因する熱整流作用の探求を行った。まず、Ptホットフィルムを二個有し、試料を設置したまま順、逆方向の温度勾配を与えられるH型ナノセンサの開発を行った。このセンサを用いそれぞれの方向でのCSCNFの熱伝導率計測を行ったが有意な差は見られなかった。CSCNFはグラフェンからなるカップ同士が分子間力で結合された構造をしており、熱伝導に対してこの分子間力が支配的である。そのため熱伝導に関しては軸方向に方向依存性はなく、熱整流作用が検出されなかったと考えられる。そこで、理論的に熱整流作用の現象を解明するために非平衡分子動力学法を用いて解析を行った。熱整流作用が確認された過去の実験において、局所的堆積に用いられしる電子ビームがナノチューブの格子に欠陥を生じさせ、この格子欠陥の不均一性が熱整流作用の原因と考え、計算モデルとして単層カーボンナノチューブ(SWNT)の長さ方向の半分の領域に格子欠陥を配置したものを採用した。欠陥のあるSWNTから欠陥のないSWNTへ流れる熱流がその逆よりも最大10%大きくなり,この結果は過去の実験で得られている熱整流作用の方向性と一致する。欠陥のないSWNTを高温側に設置した場合5THzから20THz付近の振動が励起されるが、欠陥のあるSWNTを高温側に設置しても状態密度の変化は小さい。高温側に欠陥のないSWNTを設置し、低温側に欠陥のあるSWNTを設置した場合にはその逆に比べて状態密度の差が大きくなり熱が流れにくくなる。欠陥がもたらす状態密度の差が実験で得られている熱整流作用の原因であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)