Project/Area Number |
09J00811
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三枝 栄子 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ケイ素 / 立体保護 / 多重結合 / ハロシラン / ベンジルアニオン / シレン錯体 / ハロシレン / シリン / 速度論的安定化 / シレン / ジヒドロシレン |
Research Abstract |
高周期14族元素間多重結合化合物は、アルケン、アルキン類の高周期類縁体として興味が持たれる。アルケンの高周期類縁体(ジメタレン)は、かさ高い置換基による速度論的安定化の手法により種々安定な化合物として合成・単離されている。一方、アルキン高周期類縁体(ジメタリン)も近年合成が達成され、その性質が解明されつつある。本研究では、未だ報告例のないケイ素-炭素間三重結合化合物であるシリンの合成を目的とし、まずはその前駆体となりうるケイ素および炭素上に脱離基を有するケイ素-炭素間二重結合化合物シレンの合成を目的とした。今年度は、その前駆体となるハロシランの合成および反応性について検討した。かさ高い置換基としてBpq基(2,6-[3,5-Dip_2C_6H_3]_2-C_6H_3, Dip=2,6-diisopropylphenyl)を有するベンジルブロミドBpqCH_2Brとt-BuSiCl_3のMgを用いたカップリング反応によりジクロロシラン[BpqCH_2SiCl_2(t-Bu)]1を合成することに成功した。次いで1のフッ化反応によりジフルオロシラン[BpqCH_2SiF_2(t-Bu)]2を得ることに成功した。化合物2に対し、THF中室温で2当量のt-BuOKを作用させることで、対応するベンジルアニオン種3を合成・単離することに成功した。この生成物の^<19>F,^<29>Si,^<13>C NMRスペクトル測定の結果、およびDMEからの再結晶により得られた単結晶のX線結晶構造解析の結果から、得られた3は、溶液中および結晶構造において、シリル置換ベンジルアニオン種の構造的特徴ではなく、対応するシレン(t-Bu)(F)Si=C(H)Bpq4にF-およびK^+が配位した「シレン-KF錯体」といえる特異な構造を有するという、新規かつ重要な知見を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)