Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,Keap1-Nrf2システムのストレス応答機構のセンサー分子の同定と具体的な分子基盤を解明する。22年度では主に小胞体ストレスセンサーの同定を行た。これまでの研究では,小胞体ストレスによるNrf2の活性化はPERKが関わることが示唆した。今年度は,このポイントを捕まて,研究を展開した。まず最初はPERKを単離した。初期胚の解析系を利用し,Keap1とNrf2と共発現した。しかしPERKの存在下でもNrf2の活性化が観察されなかた。PERKの下流因子ATF4に注目。ATF4も単離した。同じくKeap1とNrf2と初期胚に共発現した。その結果Nrf2の活性は見れた。Keap1-Nrf2システムは小胞体ストレスへの応答にはATF4が重要であることが示唆した。また,5日胚を用いる,knock down解析をした。5日胚は小胞体ストレス誘導剤に反応できなくなたことを検出した。初期胚免疫染色解析の結果からATF4はNrf2タンパク質の安定性に関わることを証明した。ATF4のNrf2を活性化する機構をさらに理解するため,ATF4の分子解析を行た。DNA結合ドメインやヘテロダイマー形成ドメインに点変異を導入した。初期胚の解析系にKeap1とNrf2と共発現し,Nrf2の活性化が検討した。両方とも野生型ATF4よりNrf2の活性化が減少した。その結果から,b-ZipドメインはNrf2の活性化に重要であることを示唆した。以上の結果から,小胞体ストレスによる,PERK系路が活性化し,その下流のeIF2aがりん酸化する(eIF2aりん酸化抗体を用いた免疫プロト検討の結果により),ATF4が翻訳され,そのことによりNrf2を活性化する。これまでの小胞体ストレスセンサーに関する研究では培養細胞を利用したものが多く,PERKがNrf2を直接にりん酸化することと考えられているが,今回の研究からPERKではなくその下流にあるATF4はNrf2を活性化する重要な因子と証明した。
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