三角格子導電性酸化物における反強磁性秩序とカイラリティ秩序
Project/Area Number |
09J00973
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高津 浩 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | PdCrO_2 / 非従来型異常ホール効果 / 二次元三角格子磁性体 / 単結晶育成 / 幾何学的フラストレーション / フラストレート磁性金属 / フラックス法 |
Research Abstract |
1.二次元三角格子磁性体PdCrO2の単結晶育成方法の確立 これまでPdCrO2の単結晶の育成報告は一例もなかったが、約1年間にわたる試行錯誤の結果、フラックス法を用いることで単結晶が育成できることを見出した。更に、育成環境の最適化を行い、おそらく初めてPdCrO2の単結晶育成方法の確立に成功した。この結果は磁化率や電気抵抗率の本質的物性の解明に繋がっただけでなく、以下で詳しく述べるように二次元三角格子磁性体で初めて非従来型の異常ホール効果を発見する礎となった。 2.PdCrO2における非従来型異常ホール効果の発見 育成したPdCrO2の単結晶を用いて、磁場を[001]方向に印加し、電流を[110]方向に流した時のホール抵抗の磁場・温度依存性を調べた。その結果、局在Crスピンが120度構造に反強磁性秩序化するTN=37.5Kより低温のT*=20Kから、ホール抵抗の磁場依存性に従来のホール効果では説明できない非線形性を見出した。更に、T*では磁化率や比熱にも異常があることや、同構造で同価数・非磁性のPdCoO2のホール効果には40K以下の低温で非線形性が現れないことを明らかにした。これらの結果より、PdCrO2のT*以下のホール効果がスピン構造の変化と密接に関係する可能性を浮き彫りにした。これは近年フラストレート磁性金属のホール効果で注目されている「スピン配置の幾何学性」を起源とする新奇なホール効果と関係する可能性がある。これまで二次元三角格子系では、理論的にはマクロにそのようなホール効果は出現しないことが指摘されてきたが、実験的には適当なモデル物質がなかった為、明らかにされてこなかった。従って、本研究によりモデル物質PdCrO2を探し出し、初めて実験的にホール効果を検証した点は重要である。特に、単純な場合の理論予測とは異なり、明確な非従来型の異常ホール効果を見出した点は意義が深い。二次元三角格子は幾何学的フラストレート格子の中でも最も基本的な構造を持つ為、本成果は今後フラストレート磁性金属の磁性と導電性の相関を研究する上でも重要な情報を提供することが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)