全天探査用広視野大型MeVガンマ線カメラの開発及び気球実験による天体観測
Project/Area Number |
09J01029
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩城 智 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ガンマ線 / ガス検出器 / コンプトンカメラ / FPGA / ASIC / 気球実験 |
Research Abstract |
我々は、MeV領域のガンマ線による全天探査を最終目標として、独自に開発した微細構造ガス検出器、μ-PICとシンチレーションカメラを使った電子飛跡検出方コンプトンカメラ(ETCC)を開発しており、これを用いた気球実験SMILEを計画している。この検出器では、ガス検出器でコンプトン散乱のコンプトン点と電子の反跳方向を正確に取得することが重要である。また、電力の限られた気球実験において1500以上のガス検出器の信号と10000以上のシンチレータの信号を読むために、読出しシステムの省電力化も必要である。 今年度は、昨年度開発した基板に改良を加え、また、荷電粒子の飛跡取得ロジック回路とエネルギー測定のための波形取得回路も同一の基板に載せた新たな読み出しシステムを開発した。このシステムは、従来に比べて約1/3の電力でガス検出器の信号を取得できるよう省電力に設計されている。さらに、荷電粒子飛跡取得アルゴリズムに改良を加え、従来より精確な飛跡を取得できることが期待された。 まずシステム全体のノイズレベルを測定したところ2fC以下であり、元の回路に比べて大幅に改善されている。この回路を用いてX線のスペクトルを取得したところエネルギー分解能は30%(FWHM)@22keVであり、従来の読出し回路と同等の性能であった。また、宇宙線ミューオンの飛跡を取得しその感度を測定したところ、従来は検出効率が60%程度であったが、このシステムではほぼ100%の検出効率が確認された。これにより、コンプトン散乱の反跳電子に対してもより密な飛跡を取得し、正確なコンプトン点及び反跳方向を決定できると期待される。現在その解析方法について研究中である。 また、シンチレーションカメラの読出しシステムも開発し、その性能評価を行った。その結果、従来の1/10以下の消費電力で、662keVのガンマ線に対して従来同等の10%程度のエネルギー分解能が得られることを確認した。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)