Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
今年度は,地球物理学の基礎方程式の一つである,回転によるCoriolis力の影響を考慮したNavier-Stokes方程式に関して研究を行った.特に,同方程式の時間大域的適切性および時間局所適切性に関して考察を行った. 時間大域的適切性に関しては,より広い関数空間における同方程式の初期値問題の適切性を考察した.Besov型の関数空間を新たに導入し,その関数空間に属する初期速度場がCoriolis力に関して一様に小さい場合に,同方程式に時間大域的一意解が存在することを証明した.本研究で用いた関数空間は,先行する結果において用いられた関数空間より真に広い関数空間となっている.また,時間大域的適切性に加え,同方程式の非適切性についても考察し,我々が時間大域的適切性を証明した関数空間より真に広い関数空間においては,初期値に対する解の連続依存性が一般に成立しないことを証明した. 時間局所適切性に関しては,回転速度が解の存在時刻へ及ぼす影響について考察した.同方程式の線型項に対応した作用素から生成される半群に対し,Coriolis力による分散効果を表すStrichartz型評価を導出し,斉次Sobolev空間における方程式の時間局所適切性を証明した.更に,解の局所存在時刻を初期速度場のノルムと回転速度によって特徴付け,回転速度に応じて解の局所存在時刻が大きく取れることを証明した.本結果により,斉次Sobolev空間に属する任意の初期速度場と任意の時刻Tに対して,回転速度を十分大きく取れば,方程式の解が最初に与えられた時刻Tまで存在することが従う.また,本研究で得られた解の存在定理および局所存在時刻の特徴付けは,通常のNavier-Stokes方程式に対する斉次Sobolev空間における結果の拡張となっている.
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