2次元配列したフォトクロミック分子における単一分子コンダクタンスの光制御
Project/Area Number |
09J01593
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂野 豪 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | フォトクロミズム / 固液界面 / 走査トンネル顕微鏡 / 分子エレクトロニクス / ポルフィリン / 表面重合 / 単一分子コンダクタンス |
Research Abstract |
本年度、本申請者は『2次元配列したフォトクロミック分子における単一分子コンダクタンスの光制御』のテーマに沿って研究を行っている中で、『フォトクロミックジアリールエテンの二次元配列の光配列変化』を達成できた。以下にその概要を示す。 ジアリールエテンの二次元配列構造を光で制御するために、走査トンネル顕微鏡で光照射に伴う配列構造の変化を分子レベルで観察した。測定に用いたジアリールエテン分子は、グラファイト基板との親和性が高いヘキサデシル鎖と分子間相互作用の強いカルバモイル基を導入した分子に設計・合成した。ジアリールエテンの両異性体、開環体・閉環体は高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)により単離された。開環体の溶液、閉環体の溶液をグラファイト基板上に滴下すると、それぞれ異なる二次元パッキングの配列(配列・、配列・)を形成した。興味深いことに、開環体の配列・、閉環体の配列・、どちらの配列に紫外光照射を行った場合も、配列・でも配列・でもない新しい配列・を形成した。閉環体の配列・に可視光照射を行うと、開環体の配列・へと二次元配列構造が変化したが、紫外光照射によって生成した新しい配列・に可視光照射を行っても、元の配列・、配列・には戻らず、二次元配列構造の変化は観察されなかった。石英セルに入れた開環体の溶液に終夜紫外光照射を行うと、ジアリールエテン縮環体が生成することがマススペクトル、吸収スペクトルより明らかになった。HPLCによって縮環体を単離精製し、縮環体の溶液をグラファイト基板上に滴下すると、配列・の二次元配列が確認された。以上の結果より、開環体、閉環体の溶液をグラファイト基板上に滴下した後、紫外光照射によって生成した新しい配列・はジアリールエテン縮環体の二次元配列であることが明らかになった。以上、本研究で合成したジアリールエテンは、グラファイト基板上に配列したのち、光照射によって表面配列の光変換が可能であることが示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)