新しいナノスケール電子科学の創出と次世代デバイスの設計指針の獲得
Project/Area Number |
09J01612
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 幸宏 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ナノスケール / 電気伝導 / 電子波束ダイナミクス / 長距離電子間相互作用 / ナノスケールコンタクト / オーミックコンタクト / 界面物理 / トンネル現象 / 時間発展 / オーミック接触 |
Research Abstract |
半導体デバイスの極微細化の結果、MOSFETsのチャネル長は10nmのオーダーに達しようとしている。このような系では、ナノスケールの伝導体中の電気伝導が現実のデバイス特性を支配するようになる。ナノスケール伝導体を挟むソース電極(電荷の出発点)とドレイン電極(電荷の終着点)の間に通常の電圧(1V程度)を印加すると、伝導体は高電界下に置かれ、ドレイン電極が最早熱平衡状態にはならない。我々はこれまで全く研究の行われてこなかった高電界下のナノスケール伝導体中の電子ダイナミクスに関する研究を行った。本研究において、ナノスケール伝導体中の電子は「波でもなく粒子でもない状態」、電子波束として伝導に寄与すると考え、粒子性と波動性のクロスオーバーする領域での電子ダイナミクスを検討することを狙った。電子波束は、原理的にエネルギーの高い固有状態も含んでおり、その影響は多体効果において特に顕著に表れる。すなわち、多体の電子相関効果を取り込んだ電子波束ダイナミクスを考えることが非常に重要である。 本研究ではナノスケール伝導体中での電子輸送に関する基礎的な知見を得ることを目指して、長距離電子間相互作用を取り込んだ多電子波束ダイナミクスに関する理論的研究を行った。計算の結果、電子間相互作用によって電子波束の時間発展が抑制されるという結果を得た。結果は、ナノスケール伝導体中において電子が粒子性を示すことを示唆する結果である。言い換えると、電子間相互作用が電子波束の寿命を伸長する様な影響を与えることが分かった。 また、電界を加えたシステムにおいても、電子波束がこのような振舞を示すという結果も得られた。したがって、本研究の結果から将来のナノデバイスにおいては電子間相互作用がデバイス特性に非常に重要な影響を与える要素であると考えられる。そのためこのような結果とその発展は、将来のナノデバイス設計に有力な指針を与えることができると考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)