Project/Area Number |
09J01615
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
直江 将司 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 種子散布 / 液果樹木 / 果実食者 / 優占樹種 / 間接相互作用 / 低密度樹種 / 森林生態学 / 群集生態学 / 液果樹種 / 温帯林 / 散布カーネル / マスティング / 生物多様性 |
Research Abstract |
一般に、液果樹木の種子散布は植物と果実食者間の直接的な相互作用の結果とされる。しかし、果実食者を介した樹木間の間接的な相互作用も種子散布に大きく影響しうる。研究員らは昨年度、優占樹種の結実で森林の果実密度が果実食者の利用できる量を上回り、低密度樹種の果実持ち去り率や種子散布距離が減少するという負の影響を明らかにしてきた。今年度は、鳥散布種子の同種や他種の結実木下への散布が、優占樹種の結実によって変化するかを検証した。 成熟したブナ林である茨城県小川試験地に格子状に種子トラップを3年間設置して、液果樹木の結実期に回収した種子を用いて解析した。回収種子から優占樹種ミズキと低密度樹種5種について樹種毎に、鳥散布・自然落下種子の空間分布を求めた。種子に果肉が無ければ鳥散布種子とした。解析には被説明変数に空間自己相関を考慮したintrinsic CAR modelを用いた。 解析から、ミズキ凶作年には低密度樹種の鳥散布種子は同種結実木下に集中するものの、豊作年には集中度が減少することが分かった。また、低密度樹種の鳥散布種子の空間分布は凶作年では強い集中分布を示したのに対し、豊作年ではランダムもしくは一様分布に近づいていた。これらの結果は、優占樹種の豊作年には果実食者が低密度樹種-優占樹種間を行き来するためと考えられた。ミズキの結実ピークと結実期が重ならない樹種ではミズキの豊凶に伴う変化は小さかった。これらの結果は、優占樹種の結実によって低密度樹種の種子が多様な場所に散布されることを示唆している。 以上の研究成果をまとめ、日本生態学会で発表した。
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