複数観衆問題のメカニズムの解明 ―複数の他者に対する自己呈示的ジレンマの解決法―
Project/Area Number |
09J01687
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social psychology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笠置 遊 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 自己呈示 / 複数観衆問題 / 補償的自己高揚呈示 / 自己提示 |
Research Abstract |
本研究の目的は、複数観衆問題の解決法を明らかにすることである。従来の研究では、自己呈示者のみの視点が検討されてきたが、観衆の視点も導入することで、より包括的な複数観衆問題のメカニズムおよび対処法を解明する。笠置・大坊(印刷中)によると、人々は、複数観衆状況に直面すると補償的自己高揚呈示を行う。本研究では、この補償的自己高揚呈示が、複数観衆問題の解決につながっているかどうかを検証する。 昨年度、福井大学にて実施した、女子大学生76名を対象にしたコミュニケーション実験の分析の結果、複数観衆状況で補償的自己高揚呈示を行うと、呈示者自身の自尊感情、及び自己制御資源の量の低下が防げることが示された。また、実験時に撮影した、参加者のスピーチ映像を元に、映像評定実験を行った。4名の評定者が、76人の参加者が2回ずつ行ったスピーチ映像を全て見て、話し方の不自然さや関係構築動機を評定した。その結果、複数観衆状況に直面しても、補償的自己高揚呈示を行うことで、コミュニケーション相手にネガティブな印象を与えるのを防ぐことができるということが明らかになった。以上から、複数観衆状況で補償的自己高揚呈示を行うことによって、個人内の適応(自尊感情・自己制御資源)、および対人間の適応を維持することができることが示唆されたと言える。 これらの成果を、27th International Congress of Applied Psychology (Melbourne, Australia)ではelectronic posterによる発表、日本社会心理学会ではポスター発表、日本グループ・ダイナミクス学会ではショートスピーチセッションおいて報告を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)