梯子状ポリエーテル化合物と膜タンパク質との相互作用解析
Project/Area Number |
09J01725
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
氏原 悟 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 梯子状ポリエーテル化合物 / イェッソトキシ / Rasタンパク質 |
Research Abstract |
本研究では梯子状ポリエーテル(LSP)が相互作用するタンパク質構造の解明を目的とし、申請時までにLSPの一つであるイェッソトキシン(YTX)誘導体固定化樹脂を用いたアフィニティ精製により、YTXに特異的結合性を示すタンパク質バンドを電気泳動上で検出していた。その後、このバンドに対し酵素消化ならびに質量分析を行ったところ、Rap1Aを始めとした種々のRasスーパーファミリータンパク質の混合物である事が分かった。これらの存在はウェスタンブロッティングによっても確認した。続いて、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いてRap1AおよびH-RasについてYTXとの相互作用評価を行ったところ、これらが解離定数で10^<-6>M程度の親和性で直接相互作用することが明らかとなった。以上の結果は、YTXがRas様のタンパク質を共通に認識する事を示唆している。Rasは細胞の増殖・分化・アポトーシスの制御など、様々なシグナル伝達に関わっており、ヌクレオチド(GTPおよびGDP)の結合に依存したコンフォメーション転換を行う事でシグナル伝達を制御する。このうち活性化は、グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)によって引き起こされる。続いてYTXの結合がRasに与える影響を調べるため、GEFによるRasの活性化機構に着目して蛍光測定およびSPR測定を行った。その結果、YTXがRasとGEFとの相互作用を阻害する事が明らかとなり、YTXがRasのGEF結合部位に結合していることが示唆された。YTXの代表的な生理活性にアポトーシス誘導活性があるがその標的タンパク質は明らかとなっていない.Rasを介するシグナルが抗アポトーシス作用を誘起することが知られており、YTXがRasとGEFの相互作用を阻害することで、Ras活性化を抑制し、結果としてアポトーシスを誘導している可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)